ミャンマー国内のお金の流れはどうなっているか(資金循環図)

経済全般
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先進国では大体資金循環統計という統計が各中央銀行により作成されている。

これは、ざっくりいうと、金融資産の最終的な保有主体である家計(国民)が、その金融資産をどのように運用・保有し、他の各経済主体に使われているかの全体像を記述する統計と言える。

正確な定義・説明は以下の通り。

資金循環統計は、一つの国で生じる金融取引や、その結果として、保有された金融資産・負債を、企業、家計、政府といった経済主体毎に、かつ金融商品毎に包括的に記録した統計です。

http://www.boj.or.jp/statistics/outline/exp/exsj.htm/

(正確な定義を見ただけで分かるとは思わないが、、、)つまり、一国の個々人が蓄積している金融資産がどういう風に有効活用されているか、ということであり大変重要な統計である。

ただし、この統計の整備には、各種様々な基礎統計がいるし、多くの推計で隙間を補っている関係もあり、途上国で用意するのは中々難しい。また、途上国では往々にしてインフォーマル部門(つまり公式統計で補足されていない経済活動)が大きな割合を占めている場合がほとんどという課題もある。

とは言え、ミャンマー経済・金融を見ている者として、全体像的なものが全くわからないままだと気持ちが悪いので、近似的な資金循環のイメージを作ってみた。

二つ目の図の下のX二つのうち、外国から「非金融民間企業」に投資されているお金は金額は多分わからないが問題があるわけではないし、金額自体も国内の全与信額に比べれば大した額ではないはずである。

他方、下から二つ目のXは大分くせ者で、特に、統計に補足されない形で、国民から(インフォーマルな)企業に供給されているお金は、ミャンマーではかなり大きい可能性がある。(麻薬とか非合法な取引のほか、税金逃れのため存在を隠している企業など)

また、ミャンマー経済の成長のためには、二つ目の図の赤矢印を拡大していく必要があることが明白である。ミャンマーでは、一般的に、過去3回の廃貨及び2003年の銀行危機といった事例を引いて銀行に対する信用、政府紙幣に対する信用が低いとよく言われる。

こうしたことを反映し、ミャンマーのいわゆる「金融深化度」(Broad money / GDP)はASEAN諸国でも最低位である。

(Source) World bank 2019, World Development Indicators

こうした状況は徐々に変わっているものの、現金志向、現物志向は他国と比較しても強いと考えられ、こうした人たちが保有する資産を金融システムの中に取り込み、ミャンマー企業の成長やインフラに活用していくということが求められる。

ちなみに、例えば、あと10年程度で金融深化度がカンボジア並みになったとすると、国民から銀行に預けられる預金量は、現在の3兆円程度から実質ベースで4倍ぐらいになることになる(GDP2倍×金融深化度2倍)。

逆に言うと、現在の銀行預金量は、ミャンマーの経済規模(つまり、生産活動の総和)に比べてかなり小さく、フォーマルな銀行システムが食い込んで行く余地がかなり大きいと言える。(日本とは違って銀行業にビジネスチャンス大)

今後、継続的に金融深化度が向上していけば、国内外でかなり大きなビジネスチャンスが生じると思われるが、もし構造的な要因がそれを阻むのであれば、その機会費用は計り知れない。

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