国際送金のしくみをざっくり解説

経済全般
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日本からお金をミャンマーに届けたい!

そんな時には、①円かドルを現金で物理的に持っていく、②銀行送金、③それ以外、の方法があります。

①は少額しかダメです。②は時間がかかるし手数料も結構取られます。③はTransferwiseとか最近はやりの一歩先を行ったいわゆるFintech系サービスなどでまあまあ手数料は安いですが限度額も低く、サービス範囲も限られます(現状ミャンマーはサービス対象外)。

②銀行送金は、ミャンマーへの送金に限らず、時間がかかり手数料も結構かかりますがどういう仕組みでお金を送ることになるのか。

殆どの人が気にも留めないですが、奥が深くかつ分かりずらいので、ざっくり仕組みがわかるように解説してみます。時間・手数料がかかっている理由がざっくりわかれば、少しは不満も解決されるかも。

では、ミャンマーに異動となり、個人:Xさんがミャンマーに送金したい場合を例にとってざっくり解説してみます。

  1. Xはまず、ミャンマー国内のローカル銀行の一つ、a銀行にドル口座を開設します。
  2. その際、a銀行より、自分の口座番号や、a銀行固有の識別番号(世界のなかのどの銀行かを識別するため)を教えてもらいます。
  3. Xは、日本のb銀行に国際送金の申込を行い100万円を入金します。この時、送金先であるa銀行の識別番号やFCA口座番号を伝えます。
  4. 日本のb銀行は、米国のB銀行(bにとっての”コルレス銀行”。例えばcitiとか)に、b銀行名義のドル口座を持っています。
  5. ミャンマーのa銀行は、シンガポールのA銀行(a銀行にとってのコルレス銀行。)に、a銀行名義のドル口座を持っています。
  6. シンガポールのA銀行は、米国のC銀行(a銀行にとってのコルレス銀行。)にA銀行名義のドル口座を持っています。
  7. 日本のb銀行は、米国のB銀行にある自己口座より、100万円と同価値のドル:仮に1万ドル (適用レートは銀行によって異なる) を、同じ米国内のC銀行にあるシンガポールのA銀行名義のドル口座に振り込みます。
  8. シンガポールのA銀行は、米国のC銀行にある自己口座に1万ドル届いたことを確認したら、A銀行にあるミャンマーのa銀行名義の口座に1万ドルの残高を発生させます。
  9. ミャンマーのa銀行は、シンガポールのA銀行にある自己口座に1万ドルが届いたことを確認したら、Xさんに、あなたの1万ドルが届いたことを知らせます。
  10. これで、Xさんは晴れてミャンマーにあるa銀行から1万ドルを引き出すことができます。

ミャンマーからモノを輸入する場合などは、ミャンマー国内の自分の口座でない名義の銀行口座に振り込むことになります。

6と8では、わざわざシンガポールの銀行が登場していますが、これは、ミャンマーの銀行に国際的な信用力がないこと、ながく米国金融規制が続いてきたこともあり、ローカル銀行が直接米国の銀行に口座を持つことができていないことが理由です。

もし、ミャンマーにあるa銀行が米国にあるB銀行かC銀行にドル口座を持てれば、時間もコストも減らせる可能性がかなり高いです。

また、上記のような資金移動のルートはあくまでも一例であり、理論上、銀行の組み合わせの数だけ無数にあります。が、通常、ある銀行がある国に持つコルレス先は限られるので、ある程度はルートは限られます。

では、③それ以外のtransferwiseといったサービスはなぜ時間がかからず、手数料も安いのか。それはざっくりいうと、上記のような送金依頼があっても、一件一件国際送金をしないようにしているから、です。

なぜそれが可能なのか、例えば、Xさんが、日本から円を1万ドル分、米国に送金したい一方、Yさんが米国からドルを1万ドル分、日本に送金したい場合、Transferwiseなどの業者は、XとYを事前にマッチングし、Xの円売りとYの円買い、Xのドル買いとYのドル売りを相殺してしまいます。

つまり、Xは、100万円をTransferwiseが日本の銀行に持つ口座に入金し、その後、Transferwiseは、Yが日本国内に送金したい先の口座に100万円を振り込みます。同時に、Yは、1万ドルをTransferwiseが米国の銀行に持つ口座に入金し、その後、Transferwiseは、Xが米国内で送金したい先の口座に1万ドルを振り込みます。(1ドル=100円の場合)

これでXとYの要求は満たされますが、日本と米国の間では実際には資金のやり取りが行われません。短期的には、送金したい人と送金を受けたい人の需給がマッチしないので、その差額はTransferwise自身がバッファーを持っておくか、バッファーを超えれば、その分だけ、銀行を使った国際送金をすればよい、ということになります。

マッチングが前提で、それなりに需給がなければ、その都度国際送金をする必要が生じてしまいコストが上がり、多額の送金はマッチング先を見つけるのも大変なので、一定のマーケットがないと回らないビジネスです。なので新興国での展開はなかなか難しいといったところでしょう。

このあたり、奥が深いのでまだまだ調べがいがあると思っています。国際送金の効率化というのも、そろそろ本格的に実現していきそうな情勢でもありますし。

なお、この記事は以下の文献などを参考にして自分の考察を加えたものです。

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